名古屋圏の産業は、ものづくりが最大の特徴であると言われています。東三河地区には、トヨタ自動車やデンソーなどの世界に冠たる自動車メーカーがピラミッド構造を成し、製造業のメッカとも言われる地域を形成しています。また、西三河地区や、名古屋港臨海地域には三菱重工業などが立地し、MRJに代表される航空機などの次世代を担うものづくりを推進しています。
さらに、尾張地区には、岡谷工機やオークマなどの工作機械メーカーが林立し、世界各国への工作機械の輸出に力を注いでいます。このような経済構造下において、愛知県の製造品出荷額は、東京都、大阪府を抜いて日本一の座を常に確保しており、ここ20年以上、トップの座を他の都道府県に譲ったことは一度もありません。
それだけに、名古屋圏のものづくりを支える人材には、他には見られない特徴があります。そのひとつは、勤勉であり真面目であること。そして、堅実で研究熱心であることと言われています。
ものづくりの原点は、研究にあるということができます。研究は新たな技術を開発し、次なる新製品を生み出す糧となります。新製品がライバル企業に押されぎみになると、さらなる努力を積み重ね、あらたな研究開発を進めて技術革新を巻き起こすのです。
その陰には、並々ならぬ苦労や創意工夫が隠されていることと思われます。それを日々の仕事として、己の職務に誇りを持つ名古屋圏の人々には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康といった、かつての偉人の魂が宿っているとも考えられます。